虎狼痢

江戸だけでも10 万人の死者を出した『コレラ』いつの時代も疫病による災いはやってくる。幕末から明治にかけて大阪の適塾を開き、未知なる疫病に挑んだ人がいる。緒方洪庵その人である。

当時の人々はワクチンなんてものは知らず、風評被害がまかり通る時代だ。助けたい一心でワクチン摂取を呼びかけるが庶民はワクチンに恐れ慄き拒否した。

というのも、ドイツから仕入れた貴重なコレラワクチンは、牛を母体に培養したものなので、当時の人々は忌み嫌ったのだ。

大阪の道修町(どうしょう町)に小さな神社がある。少彦名神社という。

当時の子供たちをコレラから救った神社である。緒方洪庵をはじめ蘭学医と、コレラワクチンを摂取した子供達に手作りの『虎の張り子』をプレザントしたという話が残る。神さまと医学がタッグを組んだ瞬間である。

提灯の神紋が素敵だ。「薬」の文字に見える。

今でもこの神社は、街の病気平癒、薬業の神さんとして信仰されています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました