〜滝野川ゴボウ〜

江戸野菜シリーズ、今回は滝野川ゴボウ。

ゴボウが日本に伝わったのは中国からとされ、解毒、解熱など、もともと薬として利用されていましたが、食用として利用されるようになったのは平安時代からといわれています。ゴボウの記述が平安時代に出された辞書に記載されているそうです。

その後、江戸時代、元禄年間(1688年〜1704年)に現在の東京都北区滝野川、当時は滝野川村と呼ばれていたこの土地に鈴木源吾という人物が住んでいたそうで、彼がゴボウの品種改良に取り組み成功、その産地の名を使い「滝野川ゴボウ」と呼ばれるようになりました。

この「滝野川ゴボウ」長さが約1メートル。その味と品質の良さが江戸っ子たちに気に入られ、江戸のゴボウの代表格となりました。

明治時代になると滝野川ゴボウは日本各地で広く栽培されるようになり、大正時代の記録によると滝野川村での作付面積は約3ヘクタール。ちなみに1ヘクタールが東京ドームの約1/5なので、だいたいの広さはイメージできると思います。

昭和初期まで盛んに栽培されていましたが、大きな軍事施設の建設、都市化などにより滝野川周辺でのゴボウの栽培は戦争前に途絶えてしまいます。

現在流通している滝野川ゴボウの産地は清瀬市、立川市など多摩地域が主なようです。

ゴボウはカロリーが低く、食物繊維を多く含んでいるので、整腸作用、動脈硬化予防に効果があります。

そんなゴボウ料理の代表格といえば、やはりキンピラゴボウでしょうか。江戸っ子たちに好まれ盛んに食されるようになったのは江戸時代後期だったそうです。

キンピラは漢字で書くと「金平」。浄瑠璃に出てくる「坂田金平」からとったもので、男らしく強くなれる料理、といった感じのようです。

それでは江戸キンピラゴボウのレシピをご紹介!

材料はゴボウ1本、ごま油、鷹の爪1つ、酒大さじ1、正油大さじ1、胡麻。

作り方

1。ゴボウをよく洗い、5cm幅に切り、縦に4等分に切る。

2。ごま油を熱し、鷹の爪(種抜き)とゴボウを強火で炒める。

3。火が通ったら、酒、正油を入れ水気が無くなるまで炒める。

4。仕上げに胡麻を適量混ぜて完成!

イメージしただけでいい香り、お腹空いてきました、シンプルで男らしいじゃないですか。

ゴボウを食べる習慣があるのは世界でも日本だけ。欧米ではゴボウは木の根っことして扱われ、食べる事はありません。

日本の食文化は本当に素晴らしいと思います。

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