先日、浅草寺を訪れた時、一番印象的だったのは広い境内の隅にある「時の鐘」でした。
江戸時代、何度か火災に見舞われ鐘楼が焼け、その熱によって鐘がお釈迦になってしまい、その都度改鋳したそうです。
現存する鐘は元禄5年(1692年)徳川綱吉が命じて改鋳したものです。
「時の鐘」は時計が普及していなかった江戸時代、約2時間ごとに鐘を撞いて町人に時間を知らせていました。
そのころ、隅田川の向こう岸、深川に住んでいた松尾芭蕉が残した作品。
〜花の雲 鐘は上野か浅草か〜
花の雲は満開の桜の事を指し、上野寛永寺と浅草寺は深川からちょうど北西に位置していたので、時の鐘、果たしてどちらなんだろう?といった感じです。
現存する鐘が改鋳する5年前に詠まれた作品ですが、まぁ、ほぼ同じ鐘が浅草寺の境内にある、とても素敵だと思います。